同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は著者の特別寄稿から、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

勉強不要! 唱えるだけで【稼ぐ人】に一変する「たった一語」とは?Photo: Adobe Stock

なぜ、たった一語が成否を分けるのか?

本書における「たった一語の違い」は、「登録する」を「もっと知る」に変えたら反応が天国と地獄というような話ではない。

一見したところ、小手先のテクニックに見えるかもしれないが、その背景には私が25年以上にわたり数万人とのコンサル経験から編み出した法則を緻密に体系化したものである。
小手先のテクニックはたくさんあるが、小手先のテクニックに頼る人は短命で、副作用も大きい。

だが、私が体系化した「売れる法則85」は副作用はなく、自分も顧客も社会もみんながハッピーになる思想に基づいている

例えば、法則12「顧客に刺さるコピーの法則」では、次のような一語の違いとなっている。

貧す人:顧客には、どんな「ニーズ」があるか?
稼ぐ人:顧客には、どんな「痛み」があるか?

「ニーズ」と「痛み」という一語が違っているだけで、後は同じ。
しかし、顧客「ニーズ」を考えるか「痛み」を考えるかで、売れるか売れないか、まさに天国と地獄ほど違うわけだ。

また、法則40「無理なく高値で売れるウォンツの法則」ではこうなる。

貧す人:顧客のニーズに訴えよう
稼ぐ人:顧客のウォンツに訴えよう

この法則12と40は、フォーカスすべき点をニーズではなく、痛みやウォンツにすべきことを紹介している。

では、ニーズを調べて訴えかけても絶対売れないのかというとそうではない。
同じニーズでも、「差し迫ったニーズ」があれば売れる。

典型的な例では、コロナ禍初期のマスクが高値で売られていた。
まさに「ないと困る」という差し迫ったニーズがあったからだ。
本書では、下記の法則07「あったらいいなをカタチにしない法則」がこれに該当する。

貧す人:「あったらいいな」をカタチにする
稼ぐ人:「ないと困る」をカタチにする

このように本書でいう「一語の違い」とは、メッセージの中で使う表面的な言葉ではなく、考え方であり、重視すべき点を指している。

唱えるだけで自然に売れる秘訣

本書では、稼ぐ人の言葉を唱えていくと、自然と売れるようになる緻密な設計にしてある。

具体的には、法則の表現、貧す人・稼ぐ人の表現、それから配置の順番だ。

配置の順番については、本書で紹介した「マーケティング・ピラミッド」に基づいている(下図)。
それぞれ、ステージ1がビジネスモデルをつくる、ステージ2がメッセージをつくる、ステージ3がリーダーシップを発揮するとなっている。

多くの人はステージ2だけを手っ取り早く学ぼうとする。

もちろん、メッセージを研究して、売れるようにするのは大切だ。

だが、私の25年にわたる分析から、ここだけを学ぼうとする人は、変化の大きな今の時代、決して長く活躍できない。

大きな副作用によって今は業績が良くても、ある日を境に、転落していく人が多い。

だからこそ、私は多くの人が持続可能なモデルとして、このマーケティング・ピラミッドを開発したのだ。

マーケティング・ピラミッドは、私がマーケッター、コピーライターとして、数万人に及ぶ顧客や経営者との関わりの中から見出した理論を体系化したものだ。

しかし、マーケティング・ピラミッドを丸暗記する必要はない。
これはテレビやエアコンのリモコンに似ている。
リモコンのメカニズムを知らなくても、ボタンを押せばスイッチが入ったり、チャンネルや温度を変えたりできるように、理論を知らなくても、操作法だけ知っていれば実践では役立つのだ。

今日から「たった一語」だけ変えてみよう

例えば、先の3つの法則は、マーケティング・ピラミッドの中では、次のように位置づけている。

法則07の「あったらいいなをカタチにしない法則」は、商品を開発するときの着眼点ということで、本書のステージ1=ビジネスモデルの「商品」に位置づけられている。

法則12の「顧客に刺さるコピーの法則」は、顧客のことを深く知ることが必要という観点で、ステージ1のビジネスモデルの「顧客」に位置づけられている。

そして、法則40の「無理なく高値で売れるウォンツの法則」は、メッセージをつくる際に、対象顧客に刺さるような表現をするという観点で、ステージ2=メッセージの「解放」に位置づけられているわけだ。

法則40がなぜ解放なの? という疑問が湧くかもしれないが、それはステージ2の一つ前の段階に「行詰」(上図・右上)があり、売れる文章を書けずに行き詰まった際、それを解放するという意味になっている。

しかし、そんな細かいことを気にすることはない。

今日から、あなたは「貧す人」の言葉をつい口にしていないか? 日常の考え方のクセになっていないか、ぜひチェックしてほしい。

そして、今日からたった一語だけ、「稼ぐ人」の言葉に変えるだけで、大きく結果が変わってくるのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の著者による特別寄稿です)