あえて「スーツの裏地」にメッセージを込めた選手は、大谷選手の他にもいます。そのうちの一人が、ボルチモア・オリオールズのガナー・ヘンダーソン選手。 彼が当日着用したジャケットの裏地右側には背番号の2、左側にはオールスター初選出ということで「1st」と大きな刺繍が入っていました。 

MLBで「大谷翔平よりオシャレ」なスター選手は誰?銀座スーツ店の責任者がズバリ!Photo:Daniel Shirey/gettyimages

  私は長年、東京・銀座のヴェスタというテーラーにてGMを務めていますが、こうしたメッセージ性のある刺繍を入れる経営者のお客様は少なくありません。見えない裏地だからこそ、秘めたる闘志を思い切り強調するのです。ヘンダーソン選手のスーツも表向きは光沢感あるシルク混紡と思われる上品なものですが、内側では熱いチーム愛や誇りを表現しています。そのギャップにも魅力を感じました。

日本のクールビズでも取り入れやすいシャツ選びを
ヤンキースのソト選手に学ぶ

【(2)涼しくてスマート、スキッパーカラーシャツとスーツのコーデ】

MLBで「大谷翔平よりオシャレ」なスター選手は誰?銀座スーツ店の責任者がズバリ!Photo:Rob Tringali/getttyimages

 ニューヨーク・ヤンキースのフアン・ソト選手は、ライトブルーのコットン・ウール混紡のストレッチ素材と思われるセットアップスーツに、スキッパーカラーシャツ(第一ボタンのないスタンドカラーシャツ)で非常にスマートな印象でした。

 スーツのボタンは全て、スーツと同じライトブルーの布で包んだ「くるみボタン」となっていました。これによって、スーツの青とシャツの白からなる「2色のみ」のミニマルな配色となり、引き算コーデが大変お上手な印象を受けました。

 パーティーシーンということで、ジャケットのラペル(襟)は、フォーマルスタイルの定番であるピークドラペル(襟が上向きに尖ったスタイル)を採用。上品で若々しいスタイリングを演出していました。

 そして、こちらのファミリーフォトの素敵なこと。色使い・着こなしともに、ご家族そろって自分に似合うものをご存知で、ファッション偏差値が高いファミリーとお見受けしました。