ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

どうせお金を増やすなら「社会をよくする投資」をしたいもの。社会にとって、未来にとって、自分にとって、何がいい投資なのでしょうか――。リスクやリターンだけではない、新たな投資観が求められる時代です。※本稿は、鎌田恭幸『社会をよくする投資入門:経済的リターンと社会的インパクトの両立』(NewsPicksパブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。

投資の「新しい選択肢」に求めるもの

「つい短期的な利益に目がいきがちですが、御社の報告会に参加すると、投資の意義や意味を考えます。投資の初心に帰れるんです」(50代女性)

 これは、鎌倉投信のお客様から寄せられた声だ。

「社会をよくする投資」とは、単にお金を増やすという視点だけでは成り立たない。社会課題を解決したり、社会を豊かにする価値を創出する会社が増え、発展成長につながる投資であるかどうかだ。リターンを求めるだけではない、新たな投資観が求められる。

 どうせお金を増やすなら、リスク・リターンだけではない第3の軸、社会にとって何がいい投資なのか、未来にとって何がいい投資なのか、自分にとって何がいい投資なのか、という新たな軸を設けたい。

 つまり、

1. お金を増やすだけではない、「いい会社」への投資
2. お金を増やすだけではなく、「いい未来」をつくる投資
3. お金を増やすだけではなく、「自分の成長」につながる投資

 これらを僕は提唱したい。少し地味に感じるかもしれないが、「社会をよくする投資」は、いままで金融市場のうえで規定化されたリスクとリターンだけにとらわれない、投資の新たな軸の中にあると感じている。

 いまあなたが目にする金融商品の多くは、自分のお金がどこに流れているのかを十分に知ることはできない。あなたのお金が原資になっている預貯金や年金、保険も、あなたの知らないところでいろいろなものに投資されている。

 だからといって、僕たちは、自分のお金が向かう先について無関心であってはならないと思う。自分のお金の行き先に関心を持つ、貯めるだけではなく使い方にも関心を持つ。一人ひとりのこうした意識がお金や経済の暴走を防ぎ、自律性のある資本主義の土台になると思っている。そしてそれは、僕たち一人ひとりの生活の土台でもあるのだ。

 そんな思いで立ち上げた運用会社が鎌倉投信であり、独自の視点で社会をよくする「いい会社」に厳選投資をするファンド「結い2101」だ。