米国史上最も「自分勝手な男」が
これだけの支持を受ける理由
週刊誌とはいえ、メディアの元編集長が極論を主張するのは、えらそうかもしれません。しかし、今こそ、世界が米国をどう見ているか。米国民に厳しく意見すべきだと考え、あえて書きます。史上稀な混沌とした国際社会を、トランプと彼より過激な副大統領が収拾させることはできないと確信し、彼らが思い通りのことをすれば、世界中が米国を信用せず、米国離れを起こすことを、米国民全員が知るべきだと考えるからです。
21世紀、世界はパンデミックを経験し、ロシアによるウクライナ侵略とイスラエルによるガザ虐殺に震え、中国の台湾侵略の可能性に怯えています。この難局にバイデン大統領の対応が素晴らしかったとはいいません。しかし、トランプ前大統領のアメリカファースト主義でこの事態に遭遇していたら、すでにウクライナはロシアの占領下にあったかもしれないし、イスラエルはガザ市民を抹殺していたかもしれません。
なにしろトランプ氏は大統領時代、ロシアのプーチンとLGBT嫌いや中絶反対で結託し、「エルサレムを首都と決めるのはイスラエルとパレスチナの合意が必要」という長年の国際的約束を反故にし、独断でエルサレムをイスラエルの首都であると決め、米国大使館をエルサレムに移転しました(国連総会ではほとんどの国が反対)。さらに、まだ大統領に返り咲いていないのに、先日は台湾を訪れ、「守ってほしければカネを米国に払え」と発言したばかりです。
なぜ、この「自分勝手な男」が米国民からこれだけの支持を受けるのか。私には理解できませんが、米国通はトランプ支持者の米国人の本音を知っています。かつて知米派のある財界人が、米国の片田舎でこんなスピーチをして大喝采を博したそうです。
「みなさん、私は日本人です。多分、今日のメンバーのほとんどが日本人を初めて見たでしょう。しかし、あなた方は知るべきです。私たち日本人がいなければ、みなさんはこの地にいなかった。コロンブスは新大陸を目指して、米国に来たのではありません。マルコポーロにより「黄金の国ジパング」があると知って、そこに行き、黄金を独占しようと大西洋に乗り出したのです。コロンブスは間違えて新大陸に来てしまったのです。あなた方は、今世界一の強国、富裕な国・アメリカ合衆国の国民としてとして暮らしています。しかし、それは日本人のお陰だともっと感謝すべきです」