
いくら資産があっても高齢者というだけで家を借りられない「住宅難民」は、長年の社会問題だ。その背景には賃貸物件のオーナーが高齢者を敬遠する「4つの難問」がある。特集『終の住み家の選び方』(全21回)の#6では、その中身と解決策について分析する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
賃貸物件の審査に通らず
住み替えが難しい高齢者
ある高齢女性Aさんは、子供夫婦から「一人暮らしよりも一緒に住んでくれた方が面倒を見るのが楽だから」と提案され、引っ越しを決めた。
Aさんは裕福で広い持ち家だったため、同程度の賃貸物件を家賃40万円ほどで探した。Aさんの資金は十分だったが、審査に通らなかった。なぜなら、不動産会社に「同居する現役世代の子供夫婦でないと審査を通せないが、彼らの年収では家賃40万円が難しい」と告げられたからだ。
いくら資産があっても高齢者というだけで家を借りられない「住宅難民」は、長年の社会問題だ。
次ページでは、高齢者の賃貸住まいを阻む「4つの理由」について取り上げる。実はこれが難問であり、なかなか解決策が見出せていなかった。だが、最近になって国の制度が変更されるなど新たな動きも出てきている。その具体的な中身についても分析する。