「ケチってはダメだ!」
マスターからの叱咤に襟を正す
前マスターから味を受け継ぎ、現在、モーニングの人気メニューとなっているのが、「玉子トースト」だ。ゆでた卵をつぶし、マヨネーズと塩こしょうを加えて混ぜ、それを食パンにのせてトースターで焼き上げるのがキティ流。30年以上にわたり食パンを卸す担当者によると、このタイプのトーストを始めたのは、名古屋でキティ珈琲店が最初だという。
一方で、新たに始めたメニューも好評だ。ランチで一番人気の「タコライス」は、弟の淳也さんが修業した東京のメキシコ料理店の味を再現。この他、チキンカレーのルーから、サラダのニンジンドレッシング、プリンなどのスイーツまで、料理はすべて手づくりで提供している。
「喫茶店のランチメニューはパンを使った軽食が一般的ですが、うちでは周りで働くビジネスパーソンにガッツリ食べて昼以降も頑張っていただきたいという思いで、ご飯ものを多く取りそろえています」(祐介さん)
再オープン後、ときどき店をのぞきに来てくれるマスターに1度だけ怒られたことがある。経費削減のためにおしぼりを出すのをやめたときだ。「喫茶店というのは、コーヒーを飲む前に温かいおしぼりでホッとくつろぐのが基本。それをケチっていてはダメだ」と言われて、すぐに復活させた。