しかし飲食には、限度があるからいいんです。どんなに酒が好きな人でも、ウイスキー2本以上は飲めません。どんなにキャビアが好きでも、丼で3杯は食べられません。
![仕事ができる人に共通する“グレーな領収書の切り方”、佐藤優が語る「水がキレイすぎても魚は死ぬ」](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/d/400/img_0dfb8a3a9486ae0cd717f7a77cbfb69c1387811.jpg)
ところが、金には際限がありません。1000万円を受け取る人は2000万円が欲しくなるし、他から3000万円出すと言われたら転びかねない。だから金で動く人間とは、絶対に付き合ってはいけないんです。
では、飲み食いに政治資金を使えなくなったら、どうなるか。8000円の牛丼を自腹でご馳走できる人しか、政治家になれません。つまりキレイな社会、厳しい社会へ流れるほど、政治を金持ちが独占していきます。世襲議員の比率は高まり、IT企業を興して成り上がったような金持ちが、道楽で政界へ進出するようになるでしょう。道楽で済めばいいですが、金持ちだけが有利なように世の中のルールが変えられていくかもしれません。
――渡辺さんは「政界を腐敗させた責任の半分は財界にある」と書いていますが、どう思われますか。
財界よりも、財界がやっているシステムを是認してきた国民の責任だと思います。