確定申告の実施

 確定申告書上で、エンジェル税制の優遇措置を受けることを申請する旨を記載し、イークラウドから送付した書類および株式投資契約書の写しを添付のうえ、管轄の税務署へ確定申告を行います。なお、税務相談等のお問い合わせは、税理士または最寄りの税務署にお問い合わせください。

コラム:1社に50万円以上投資できる!特定投資家制度を採用するプラットフォームも登場

 株式投資型クラウドファンディングで投資できるのは原則、1社につき1年間50万円までとお伝えしました。これに対し、1社あたり1年間50万円超の投資を可能にする制度が「特定投資家制度」です。

 特定投資家とは、金融商品に対する十分な知識、経験、財産、リスク管理能力等を有している投資家です。金融商品取引業者が特定投資家向けに金融商品の販売・勧誘等を行う際に、法令等に基づく行為規制の一部が適用除外とされる制度です。

 2022年7月1日に「金融商品取引業等に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」が施行され、特定投資家に移行可能な個人の要件等が改正され、この制度が利用可能となりました。改正前は「純資産3億円以上かつ有価証券等の資産3億円以上かつ有価証券の取引経験1年以上」という要件のみだったところ、改正後は「年収が1,000万円以上かつ特定の知識・経験を有するかつ有価証券の取引経験1年以上」など複数の要件が追加され、より多くの方が特定投資家の条件を満たすようになりました。

 イークラウドでは登録されている投資家へのアンケートから(2021年実施)、約35%の方に50万円を超える金額の投資ニーズがあることがわかり、特定投資家制度を採用するに至りました。

 2024年3月現在、特定投資家制度を取り入れている株式投資型クラウドファンディング事業者はイークラウドを含めて2社のみとなります。

※株式投資型クラウドファンディングにおける特定投資家への移行要件は、プラットフォームによって異なる場合があります。
書影『日本一やさしい スタートアップ投資の教科書』(ビジネス教育出版社)『日本一やさしい スタートアップ投資の教科書』(ビジネス教育出版社)
波多江直彦 著