「やめるのはいつでもやめられる。1回やめたら、またそこから始めて続けるのは大変だよ。自分のためになるから続けてごらん」(7月30日 NumberWeb

 その真意は「けがと隣り合わせのスケボーは、技を決めるために勇気を振り絞って挑戦しなければならない。それは社会に出ても同じ。恐怖に打ち勝って1歩を踏み出さないと、やりたいことはできない。それを経験できるのは貴重」ということのようだ(7月30日 日刊スポーツ)。

 功さんは、子どもたちがお遊戯会や発表会で練習通りに力を発揮するにはどうすればよいかをいつも考えていた。「娘のコンディションをいかに上げて本番にもっていくかしか考えていない」(7月30日 日刊スポーツ)とインタビューに答えている。

 金メダルに輝いた吉沢選手は、練習をサポートしてきた功さんに対し「自分がパリで一番高いところに立てたよと言いたい」と感謝を口にした。オリンピックという大舞台で活躍するためには、個人の努力も当然だろうが、未成年であるならば、一番傍にいる親のサポートがいかに大切なのかが窺い知れるエピソードであろう。

 このような超一流のメダリストの親でなくとも、子育てには愛情と献身が必要だ。しかし、親も人間。子どもとの関わり方に自信が持てなくなったり、何が正解かが分からず悩み、日々、手探りのような状況に陥っている人のほうが多数派だ。

 筆者は20年以上にわたって子育て関連の取材をしているが、我が子の何らかの才能を開花(例えば、スポーツ・芸術・勉強など)させたご家庭にはある共通点があるように感じている。