四国コカ・コーラ ボトリング社で営業職として活躍し、日本コカ・コーラ社主催の全国セールスフォースコンテストで第1位を獲得した山岡彰彦氏の著書『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』から一部抜粋して、同氏の営業ノウハウをお届けします。今回のテーマは、営業担当者の永遠の悩みである「どうやったら相手に買ってもらえるのか」について。
行動は噓をつかない
行動は言葉よりも雄弁
営業という仕事を少し大ざっぱに表現すると、自分たち(自社)のモノやサービスを買ってもらい、対価を受け取ること、となります。とても単純な構造ですが、実際はそう簡単に買ってはもらえません。
あらかじめ決まった取引先を訪問するルート営業であっても、一度も会ったことのない人を訪問する新規開拓であっても、「あなたの会社の商品を待っていました。是非、売ってください」と言われることはまずありません。相手が買おうとは思いもしなかったものにお金を出してもらうということです。高額なものでも、それほど高くはないものであっても、どんな商品でも、この点に関しては同じです。
では、どうやったら相手に買ってもらえるのか。営業の仕事に就くと、まずこの当たり前の壁に突き当たります。どうやって営業をするのかなんて、高校、大学時代を通じて学ぶ授業はありません。アルバイトで経験する人もいるかもしれませんが、ほとんどの人が会社に入るまで実際の営業活動に触れる機会はないと思います。
私の場合も営業の知識を得たのはコカ・コーラに入社してから受けた営業研修が初めてでしたが、そこで学ぶことは本当に基礎的なことです。実際の現場では自分で考えながらどうするのかを決めなければならないことばかりです。わからないことを誰に聞けばよいのか、聞いてどうするのか、という手探りレベルから始めることになります。
一方、取引先は営業が新人であろうが、ベテランであろうが関係ありません。こちらの様子を見て、新人だとわかれば少しは手加減して接してくれる人もいますが、ビジネスですから厳しさには変わりありません。
ではどうすればいいのか。「先輩の背中を見て学べ」とか「人のやることを見てノウハウをつかめ」などと言われますが、抽象的なアドバイスばかりで実践では役に立ちません。
そこで我流で取引先との商談のバッターボックスに立ちますが、あえなく三振して、すごすごと引き揚げる毎日が続きます。