コンサル会社で「AIに淘汰される人・生き残る人」の決定的な差、10年以内になくなる通過儀礼とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

人工知能(AI)の研究者であり、北海道大学大学院 情報科学研究院の教授を務める川村秀憲氏の書籍『10年後のハローワーク』(アスコム)から、要点を一部抜粋してお届けします。今回のテーマは「コンサルティング会社の未来」。顧客企業の経営やIT活用などを支援することで、高給を得ているコンサルの仕事は、AI・ロボットの活用がさらに進む10年後にどうなっているのでしょうか――。

AI研究者が「10年後は存在しない」と斬る
コンサルファームの通過儀礼とは?

 コンサルタントというと、まずは外資系も含めた年俸の高い大企業……というイメージが浮かぶでしょう。AIが普及すれば、こうした大きな形態、チーム単位で動く大手コンサルのスタイルは存在しにくくなるのではないかと考えられます。

 優秀な大学を卒業したトレーニーやアシスタントが、現在ではコンサルタントの現場を支えています。プレゼンテーションのための資料を集めたり、情報を整理したりする、いわゆる「アナリスト」や「リサーチャー」的な仕事です。

 コンサルタントの現場では、まずはこうした仕事が修業であり、通過儀礼だと考えられてきました。なんらかのプロジェクトの末席に加えられて上司や先輩の動き方を見ながら、そのサポートをすることで能力を磨き、また会社側もそこでの働きぶりやアウトプットの質を見て引き上げてきたのですが、その仕組みはもはや存在しなくなるでしょう。AIで優秀な分析やリサーチが格安の価格でできるのですから、顧客側がそこに高い価値を見いださなくなるからです。