2023年・京大入試合格者数ランキング
京都「御三家」の一角がベスト10入り

図表:2023入試同書より転載 拡大画像表示

 一般入試・入学者の現役率が68.2%となった。京都大史上もっとも高い数字となっている。現役志向の強さ、中高一貫校の指導強化、現役向け予備校(鉄緑会や東進ハイスクールなど)依存度の高さなどが要因にあげられる。特色入試を加えればさらに高くなる。

 北野が2018年から6年連続トップを続けている。受験指導には絶対的な自信があるようだ。

「全員対象に共通テストの出願指導などを行います。しかし、本校の特徴は良質な校内模試にあります。本校の教員が時間をかけて練り上げた問題を解くことで、学習の到達度を知り、切磋琢磨しながら目標に向かっていきます」(「北野高校案内2024年版」)。

 高校の授業中心で京都大に挑んだ受験生は全国を見渡すとまだまだいる。文学部合格の男子(栃木・宇都宮)は予備校に通わず、学校の授業、自習だけだった。

「宇高(うたか)には『東大を目指して当然だろ?』みたいな東大至上主義の風潮があって、僕は『凝り固まった価値観ではなく、関西で暮らしたい』と反抗したところがありました。日本文学を勉強していて、京都に対する憧れもありましたし。(略)公立の中高を出て、塾にも行ってないので、誰よりもコスパよく京大に合格したと思います」(ニュースサイト「Sportsnavi」23年9月23日)。

 西京(京都府京都市)が合格者42人を出し、初めてトップ10位以内に入った。校長がこう話している。

「自分がやりたいことがあれば、どの大学でもいい。入試判定に合わせて志望校を決めることほどくだらないことはない。『京都大学が難しそうだから大阪大学に』と弱気になって目標を下げると、大阪大学も通らない。目標を低く設定すれば、人間はそれに合わせてしまうからだ。判定を気にして、本当は違うのに『行きたい』という言葉に変えていないか。『行ける大学』ではなく『行きたい大学』はどこか。そういう生徒の本当の気持ちを聞くのが、教員の仕事だ」(京都新聞23年6月30日)。