名門中高一貫校が共学化すれば
北野の牙城が崩れる可能性も?

 18年の西京からの合格者は「学校の方針で京大を猛烈に勧められて」とふり返っている。同校生徒は学校側の指導方針をかなり違った形で受け止めており、なかなかおもしろい。2010年から23年まで、京都の公立上位3校が市立堀川、西京、府立嵯峨野の3校で占められたのは9回を数える。

 教育学部合格の男子(京都・洛南)は駿台予備学校京都南校の高校生クラスに通っていた。

「駿台京都南校は、自習室の環境が整っていて、居心地良く自習ができました。あまり集中力のない私でも、開放自習室やフロンティアホール、専用自習室など、場所替えをすることで、飽きずに学習に取り組むことができました」(駿台予備学校ウェブサイト)。

 1950年代は洛北、鴨沂など京都の伝統的公立、60年代には洛星、灘など私立中高一貫校、70年代になると北野、大手前、天王寺など大阪の公立、80年代に入ると甲陽学院、東大寺学園そして90年代からは洛南が長い間トップにあった。

 2010年代後半に北野が復活する。京都大合格高校の盛衰(ランキング順位などの位置付け)について、学校の歴史と伝統、学校群や学区制など高校入試制度、受験特化型の教育方針、中高一貫校化、特進コース創設、行政による進学重点校指定、探究科や文理学科など専門学科設置、共学化、鉄緑会など塾依存度の高さなどによって、そのポジションが大きく変化した。

 2020年代、少子化がさらに進む中、これらの長所が折衷された学校が上位に来ている。灘、洛星、甲陽学院が共学化というドラスティックな変化を起こせば、ランキングはさらに大きく変わるだろう。あり得ないことではない。

◆一般入試・募集人員2660人/志願者7417人/合格者2709人/入学者2701人(女子601人、22.3%)、現役1843人(68.2%)。特色入試・入学者135人(女子67人、49.6%)