日本の将来は若い世代も含めた
「コレ活」にかかっている?

 日本を元気にすべく若い世代も

 コレステロールを摂取せよ

 40歳代、50歳代の方にも同じことが言えます。

「60歳になったからコレステロールを摂ろう」と思って、いきなりできるものではありません。体力の低下を自覚する年代になったら、コレステロールを積極的に摂るべきです。最近の言葉で言うなら“コレ活”でしょうか。

 日本は今、世界でも1位か2位の長寿国ですが、このままいけばわかりません。GDPを始め、国力の低下や少子化の問題も、低栄養が原因だと私は思っています。日本の将来は、若い世代も含めた“コレ活”にかかっていると思うのです。

 40~50歳代になると、コレステロールを下げる害が深刻化してきます。うつ病にはなりやすくなるし、ED(勃起不全)やサルコペニア(筋肉減少症)にもなりやすい。女性は、お肌や髪の艶やハリがなくなるし、骨粗しょう症にもなりやすくなります。

 さらに、認知症も20年くらいかけて発症することがわかっているので、この時期からの対策が大切です。最も憂慮すべきは、がんや脳卒中です。40代ぐらいから増えていく病気や不具合のほとんどは、コレステロールが絡んでいる、と言っても過言ではありません。

 それなのに、わざわざコレステロールを抑えてしまっているのです。それは、中・高年にとって“自虐行為”と言えるでしょう。

体を正常に機能させるために
コレステロールは不可欠な要素

 人間はコレステロールなしでは生きていけません。なぜなら人間の体は、コレステロールを材料にしてつくられているからです。

 人間の体は60兆個の細胞が集まってできています。その1つ1つの細胞膜の材料になっているのが、コレステロールです(厳密に言うと、コレステロール、たんぱく質、リン脂質から構成されています)。

 私たちの体は、内臓も筋肉も、骨も肌も、血管も髪も、コレステロールがなければ成り立たないのです。また、脳や神経細胞も大半がコレステロールでできています。さらには、男性ホルモンや女性ホルモン、ステロイドホルモン、胆汁やビタミンDもコレステロールを原料にしてつくられます。

 つまりコレステロールは、体をつくる構成要素であるだけでなく、体を正常に機能させるためには不可欠な要素なのです。