8月5日、日経平均株価が急落し、先週末の終値から4451円下げて3万1458円で取引を終えた。翌6日は急反発するなど、株価は荒れ模様だ。株価の暴落に直面して怖くなった人もいるかもしれない。しかし、ベテランの投資家ほど、こうした暴落時はチャンスと見る。過去の株価急落の局面を振り返り、今やっておくべきことを確かめよう。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)
株価暴落の今は
長期積立のチャンスだ!
株式市場の下落に直面すると、多くの投資家は恐怖にかられて、スマートフォンの株価表示が気になって仕方がないでしょう。
人間は狭い道を歩く際、地上であれば問題なく歩けますが、それが100メートルの高所であれば同じ幅の道でも足がすくんでしまいます。株式市場でも同様で、日経平均が4万円に達した時には「下がったら買おう」と考えていた投資家も、いざ実際に数日で3万1000円台まで下がると恐怖で買えなくなるのです。
また、投資の世界には、「落ちてくるナイフはつかむな」という格言があります。暴落時に投資するのは危険だということです。では、株式市場(特に優良企業の株式や指数)において、“落ちてくるナイフ”は本当に危険なのでしょうか。
2000年代初頭のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、そして2020年のコロナショックなどで大暴落が発生した時、恐怖にかられた投資家は一時的に市場から撤退しました。
しかし、その後はいずれの時も市場は回復し、長期的に見れば大きな利益をもたらしました。
2024年の新NISAからマーケットに入ってきた初心者の方たちには、今回の株価暴落で「だから資産運用は怖いんだよ」と決めつけず、この機会を好機と捉えてほしいと思っています。このような時こそ、長期積立のチャンスなのです。
冷静に状況を見極めるために、まずは過去の大きな下落局面を振り返ってみましょう。