ITバブル崩壊で
時価総額が9割超吹き飛んだアマゾン、その後は?

 1990年代後半に急騰したIT関連株は、2000年に入ってから大幅に下落しました。しかし、技術革新の進展とともにIT業界は再び成長し、長期的には大きなリターンをもたらしました。

 特にアマゾン・ドット・コムは、ITバブルピーク時の株価は1999年12月に約107ドルの最高値(当時)を記録したのち、バブル崩壊で2001年後半には約6ドルにまで急落しました。わずか2年ほどで、実に95%近くの価値が吹き飛んだのです。

 しかし、株価は大幅に回復し、その後も良好なパフォーマンスを続けているのは皆さんご存じのとおりです。

 もちろんシスコシステムズなど、その後もピークの株価に至っていない会社や破綻した会社もありますが、要は世界の優良企業に分散投資するということが大事なのです。

 リーマンショックも同様のパターンを示しました。

 2008年の金融危機により、株価は大幅に下落。日経平均は直近ピークの1万8000円台が一時7000円割れにまで下がり、結局、1万8000円台に戻るのに約7年の歳月を要しました。

 しかし、その後の経済回復とともに日経平均は再び上昇し、長期的には投資家に大きな利益をもたらしました。米国株は言わずもがなです。

 リーマンショック渦中にあった2008年当時、私は銀行員でした。そのとき担当していたベテラン投資家のお客様は、日経平均が1万円を割ると、本当に毎日のようにコツコツ日本株を買っていました。7000円台のときにも、です。

 2020年のコロナショックでは、2月に2万3000円台だった日経平均が1カ月で1万6000円台まで下落。その下落率は約30%と、株価は急落しました。

 しかし、世界的な金融緩和策とともに市場は回復したのです。先述の2つの暴落時と同じく、この時期に恐怖にかられず、積極的に買い増しを行った投資家は大きな利益を享受しました。2020年の11月にはもうコロナ前高値を上回っていますので、その回復力は非常に速いスピードでした。