どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の”戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を”評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。最短出世中・現役メガバンカーのたこす氏による「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から「こんな本が30年前に欲しかった」「今までにない知恵がつく」「上司には絶対に見せられない」と話題沸騰中である。今回はその中から「職場のバカなヤツがなぜか評価される理由」についてお伝えする。
「相手が何を言っているのかわからなった」経験はありますか?
社内の会議やお客さんとのコミュニケーションの場において、「相手の専門用語が多すぎて結局何を言っていたのかわからない」という経験はないでしょうか。特に相手が偉い人だと話の流れを切るような行為になってしまうので、なかなかカットインするのが難しいことが多いです。
僕も若手の頃、上司と一緒にとあるオーナー企業の社長と会話した時に、オーナーが非常に難しい言い回しを多用するのでほとんど何を言っているかわからず、上司任せにしてしまった経験があります。結局その上司も社長が何を言っていたのか理解していなかったので、全く意味のない面談時間だったと帰り道で判明したのですが。
それはさておき、わからない話があった時にタイミング良くカットインしたり相手の神経を逆撫でしないように聞いたりするスキルを得ておくことは重要です。聞かなければならないことをはっきり確認できるのに加えて、実は社内からも重宝される人材になれます。
「バカなヤツ」が意外と評価される理由
ここで重要なのは聞き方の工夫です。特に、質問しづらい空気があるのは大抵話し手が偉い人の場合なので、そういった目上の人が不快にならないように確認する必要があります。
わからないということを相手に伝えるのは、年を取れば取るほど恥ずかしくて難しくなっていきます。特に部長クラス・課長クラスの上司になってくると、素直に「わからない」と言いづらいケースもあります。逆に言えば、「頭がいいキャラ」になってしまうと、損したり、ムダなコスト・労力がかかるケースが増えてしまうのです。
そんな時、その上司の隣に「わからないので教えてください」と言える部下が隣にいたらどうでしょうか。上司にとって「非常にありがたい使える部下」に思えてきませんか。
ビジネスシーンは基本的にわからないことの連続です。だからこそ、一見すると不利に思える「バカ」というレッテルは、実は職場で思わぬ強みになるのです。
「フリ」でもいいから「バカなヤツ」になれ
もう一つのメリットとして、知らない間に「社内の会議でわからないことを聞くキャラが定着する」ことが挙げられます。結果として「他の人が聞きづらかったことを聞いてくれる人」になるため、同僚からも重宝されるようになります。実際に僕も同僚から「それ、俺も気になってたことだったから助かった!」みたいなことを途中からよく言われるようになりました。
このように、「わからないことを素直に認められる」というのは、実は大きな強みです。結果、上司からの評価も向上し、徐々に「部署に欠かせないヤツ」になっていきます。
なお、これはバカの「フリ」でも構わない、というのがコツです。たとえば、「自分が不勉強で知らないだけで、みんなは知っている」のスタンスで確認をするのもオススメです。「大変不勉強で恐縮ですが、〇〇とは何のことを指しているのでしょうか」という形で確認をすれば、失礼にならずに確認することもできます。
できれば皆さんも、「頭が良いキャラ」ではなく、「バカなヤツ」キャラになることを目指していきましょう。そのほうが、得をできるシーンが増えます。
少しでも若いうちにわからないと言えるようになることで、無駄なコストを下げられるようにしていきましょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を抜粋・編集・加筆した記事です)
本部公認で副業としてブログを運営する、年収1400万円の現役メガバンク行員。10年以上メガバンクという極限の環境で生き残り、最短で出世街道を歩んでいる。新卒で配属された支店で猛烈なパワハラ上司に理不尽に詰められ続ける過酷な労働環境の中、理系的な分析手法によって独自の「高コスパな仕事術」を編み出す。証券会社に出向して花形の投資銀行業務に携わった後、銀行に戻って上場企業を中心とした大企業営業を経験。現在も本部勤務を続けている。