X1と主要アーキテクチャーは共通ながら同じ個所を探すのが難しいくらい作り分けられており、大きなキドニーグリルが際立って見えるアイコニックグローはX2専用。リア回りのランプ類もオリジナルだ。

 クーペながら後席や荷室スペースが十分に確保されているところはX2の美点。横から見るとサイドウィンドウの形状が後方にいくにしたがい上下とも狭められている。だがルーフラインの高さはキープ。後席は身長175cmのパッセンジャーが座っても頭上に余裕がある。荷室も余裕たっぷり。通常時で560Lという容量はX1より20Lも大きい。リアシートを倒すと1470Lに拡大する。アウトドアアクティビティに積極的なユーザーも満足できそうだ。

 ボディサイズは4555×1845×1575mm。全幅はX1に対して10mmワイドだが、1850mmを超えなかった点は歓迎できる。

 インテリアはユーザーインターフェースの大幅なデジタル化が図られている。メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化したBMWカーブドディスプレイを採用。センターアームレストに、iDriveコントローラーやシフトレバーを含めて操作系を集約した。これによりすっきりとモダンな空間を実現している。

走りはスポーティなキャラクター
BMWらしい走りのテイストがうれしい

 走りはクーペらしくスポーティな味わい。X1は万人向けの快適な乗り味を重視したのに対し、X2は一体感を重視したドライビングダイナミクスを追求している。2車の違いは、乗れば誰もが実感できる。

 全域でパワフルな印象の2Lターボ(204㎰/300Nm)のパワートレーンに大きな違いはないが、ハンドリングは別物。反応が適度に穏やかでゆったりと乗れるX1に対し、X2はキビキビとしている。全体的に切れ味鋭く味付けされている。足回りが締め上げられているとはいえ、乗り心地は悪くない。初代X2は乗り心地の硬さに閉口した。2代目はスポーティながら快適性もハイレベルだ。

 サスペンションは初期からよく動き、路面の凹凸を上手にいなしてくれる。フラットな姿勢を保ちながらも後席を含め乗り心地は快適。BMWらしいテイストが存分に味わえるのがうれしい。

 そうなるとメカニズム面で共通性の高いMINIカントリーマンとの違いも気になるところ。xDrive20iのガソリンエンジンはS ALL4と同じスペックで、X1と同様にマイルドハイブリッド機構は付かない。トルクフルなエンジンのおかげで1.7トン近い車体でも力不足を感じることはない。しかもX2は左側のパドルシフトを長引きするとスポーツブースト機能により10秒間限定で最大パワーを発揮する。伸びやかで力強いスペシャルな加速が味わえるのはX2だけの魅力だ。