X1とMINIカントリーマンとは
巧みに棲み分けられているX2

 足回りではタイヤの銘柄とサイズが違う。外径はほぼ同じながらサイドウォールの厚みが異なる。MINIの伝統であるゴーカートフィールとBMWのSACとしてのスポーティさを表現した走りは、いずれも俊敏さが際立つ。ただしMINIのほうが一段と思い切っている印象を受けた。

 完成度の高い電子制御ダンパーも効いて、どちらも俊敏なハンドリングと快適な乗り心地を巧みに両立。コーナリングでのロールもほどよく抑えられている。2車では、ときおり硬さを感じるシチュエーションが異なり、サイドの薄いタイヤを履くX2のほうが衝撃や振動がいくぶん気にならないように感じられた。どちらも足回りは強化されているが、X2のほうが全般的に大人っぽい印象である。優れた快適性には、ホールド性が高くクッション感のあるX2のシートが貢献している。

 X2もMINIほど多彩ではないが走行モードが選べる。高速道路を巡行する際には、パーソナルモードよりも、一段とダンピングが効くスポーツモードのほうがマッチングがよいように感じた。

 X2はX1に対してはもちろん、MINIカントリーマンに対しても、巧みに棲み分けられている。その高い完成度は実に魅力的。初代と同様、日本で人気者になるに違いない。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一朗 写真/山上博也)

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