認められるのを待つのではなく
戦略的に自分を打ち出す

「こんなに頑張っているんだから、いつかきっと評価してもらえる」

 そんなふうに考えて、自ら発信しないでいると、残念な仕事人生で終わるでしょう。

 あなたは、目の前の仕事を頑張っていたら王子様が迎えに来たというおとぎ話や、殿様の草履を温めていたら目をかけられて昇進したという昔話に憧れ、今もそれを夢見ているのでしょうか?私に言わせると、それは「選ばれる技術」を知らず、ただそこでボーッと時間を無駄にしているだけ。

 多くの人が、自分の仕事や努力が自然と認められることを期待します。しかし、例えば、自分の仲間や同僚の「頑張っていること」を見つけ、褒めて、その功績を周りに伝え、積極的に引き立てる行動を、あなたはどれくらいできているでしょうか?

 少し考えれば、可能性が乏しいことに期待していたとわかりますよね。そう、人は誰しも、自分のことで精一杯。忙しくて、他人のことまで気が回らないのが現実です。

 頑張っているのに認められない、選ばれない状況が続くと、人はやがて頑張る気力そのものを失い、「学習性無力感」という心理状態に陥ります。「頑張っても報われないものなのだ」という無気力状態を学習してしまうのです。そうなると、行動すれば結果を変えられるような場面に遭遇しても、動けなくなってしまいます。

 今、日本ではこんな大人や子どもが増えていると言われます。この人たちが集団を形成すると、場がしらけ、ひいては社会全体の生産性や活力まで奪っていきます。

 頑張っているなら、いつか認められるのを待つのではなく、戦略的に自分を打ち出していきましょう。自分自身を認め、他者からも認められ、選ばれる。自分の存在がくっきりとしてくる。そんな喜びを、あなたと分かち合いたいのです。