300秒とは5分のことであるから、さすがにそんなに混ぜる人がいるとは思えず、これはネタだろうと初見で感じていたのであるが、何回か食べるうちにそうとは思えなくなった。これは後述する。

「混ぜると最高にウマイ!」は本当か?
家で作った2日目のカレーのよう

「カレーメシ」が台風や米不足の必需品に?日清食品の“感動がスゴイ”商品戦略に人々がハマるワケ「早く食べたい、でも混ぜたい」そんな葛藤をカレーメシくんがサポートする Photo by W.Kamata

 カップを開けた際に固形のカレールーが入っているのが見え、正直なところ、この時点で混ぜるとどうなるのかは、はっきりと予測できた。カレーを作ったことのある人であれば、鍋にルーを入れて混ぜるうちに急にとろみが出る瞬間が来ることを知っている。

 というわけで、友人には悪いが「感動がすごい」ということはなかった。いや、友人に「感動がすごい」と言われなければ、「おっ、これは」ぐらいには思っていたかもしれない。食のネタバレである。

 果たして、熱湯を注いだ際はシャバシャバしていたカップ内が、混ぜることでもったりとしたカレーになった。

 ただし、筆者の混ぜ方に気合いが足りなかったのか、30秒ではとろみが物足りず、さらに30秒混ぜたところで「これぞ」という仕上がりとなった。このあたりは個人差がありそうだ。

 筆者の個人的な感想としては、家で作った2日目のカレーのような味だと感じた。水っぽさがなく、米と一体化してもったりとしたあのカレーである。子どもの頃、プールで遊んだ後に友達の家で食べたような気がするカレー。カレーの本場でどう思われるかはわからないが、日本で育った人の多くの心の中にあるのは、このカレーではないか。

 これは確かにおいしいし、混ぜる手間はあるとはいえお湯を注ぐだけなので、湯煎やレンチンが必要なレトルトカレーよりも楽だ。皿も汚れない。