これからの就活で大切なことは
シンプルで原始的

 採用シーンで再び「顔」が重視されるようになったこの時代。では、これからの就活において大切なことは何でしょうか。大学の教員当時は学生からもよく聞かれました。

 私が常々言っているのは、まずはとにかく元気よくあいさつをすることです。実に原始的でシンプルな助言ですが、これほど大切なことはありません。きちんと元気にあいさつをする学生は第一印象がいいものです。

 また、実際の顔を突き合わせた対話では、互いに共通した像を頭に描いておくと話がスムーズに展開します。学生側は借り物の志望動機を語るよりも、その会社の製品を消費者として使ってみる、その会社の支店に行って、サービスを受けてみる。その時の感想を述べれば、面接者との対話が円滑に進みます。採用担当者も自社の商品やサービスの内容を話してくれるとうれしいので、話に乗ってくるのです。

 そうして相手に「いい顔をしているな」との印象をあたえられれば理想的です。とはいえ、生まれ持った顔つきを変えることはできません。心がけるべきは、いかに日常を楽しく過ごせるように工夫するかなのだと私は思います。

 無用なストレスを遠ざけ、ささやかでも楽しいことをたくさん積み重ねている人は、それが表情に現れます。いつもと違ったよそ行きの語り口を練習するよりも、はるかに効果的でしょう。 

 関心のある人は、「一日に一番良かったことを一つ、メモで書き出す」習慣をつけるのもよいでしょう。しばらく続けると、自然と良かったことを探すようになって「いい顔」につながります。また個人にとっては、笑顔が一番「いい顔」である人も多いものです。

 これから就活に臨む学生の皆さんにも、ぜひ心得ておいていただきたいですね。

(構成/フリーライター 友清 哲)