オンライン面接で
何が変わったか

 就活シーンがそうした課題を抱える中、20年に入るとご存じのように世界をパンデミックが襲い、就活にかぎらず、人々はリモートによるコミュニケーションを定着させました。本稿ではこの20年以降を第3期と定義することにしましょう。

 第1期から第2期への移行で生じた変化に比べれば、第2期と第3期の間に抜本的な変化はさほどありません。しかし、インターネットの活用がさらに進化したことで、選考の在り方にも変化が生じます。具体的には、世の中で急速なリモート化が進み、採用シーンにおいてもオンラインでの面接が取り入れられるようになりました。

 これにより何が起きたのかといえば、引き続き匿顔での選考が拡大する半面、Zoomなどのツールを通してオンライン越しで顔を突き合わせることが可能になりました。エントリーシートよりも動画の方が得られる情報が多く、選考する側もされる側もメリットがあるでしょう。

 また、企業によっては事前に自己紹介動画を募るケースもあります。履歴書にある写真や記載内容とは比べ物にならない情報量を含んでいます。

 たとえ1分程度の短い動画でも、その人物がどのような表情で喋り、どのような声や話し方をするのか確認することで得られる情報は多いからです。顔とはそれほど「物を言う」パーツなのです。

 ただ、表面的な情報交換であれば、オンライン越しでもよいかもしれません。しかし対面でのコミュニケーションに比べれば、得られる情報の質・量とも落ちることは意識しておくべきでしょう。