「就寝前30分の読書」で
国語のスランプを脱出
しかし、6年生に上がった直後に、もともと苦手な国語の偏差値が著しく下がってしまう。一時は偏差値が50を切るほど低迷し、慶祐さんはスランプ脱出のため一計を案じることにした。
「今、国語の出題文はかなり長文化しています。読解力はもちろん読むスピードが求められ、難関校は書かせる出題が中心なので文章表現力も問われる。その両方を身に付けるには、やはり読書が有効だと考えました」
毎晩、就寝前に30分の読書時間を設定。読む本は、幸子さんが近所の図書館に通ってセレクト。慶一君が興味を持ちそうなものを選んで手渡した。
11月からは、第1志望の筑駒の出題傾向を分析し、より難解な文章に触れることが必要だと判断。日経新聞の社説を読むことを日課にして「大人の文章」を読む力を養った。専門用語はあらかじめ慶祐さんが線を引き、さらに慶一君が読んで分からない言葉に線を引き、読後に父がまとめて解説する。時事問題への理解も深まったという。
「授業も友達も面白い」と、筑駒生として充実した毎日を送る慶一君。一方、息子との受験体験から、自身の勉強指導と進行管理に手応えを覚えた慶祐さんは、現在総合商社で内部監査の仕事をしているが、今後は家庭教師を副業にして、中学受験を目指す家庭に経験やノウハウを伝えていく予定だ。
「私たちの経験が役に立てばうれしいです」(慶祐さん)

