小学校低学年から塾通いでもなぜ伸びない?子どもの基礎学力に決定的な差がつく「家庭の習慣」写真はイメージです Photo:PIXTA

社会環境が変わるなかで、一部の親たちは子どもに「新しい教育」を受けさせたいと願い、行動を始めている。本連載では、幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が「10年後の世界でも輝く子ども」を育てるために必要なこととはなにかを解説する。連載第3回では「新しい学習」に備えるために、低学年の子どもがいる家庭でいますぐできる2つのことを提案する。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

必要なのは
たった2つの基礎学力

 今、「意識の高い」保護者の間では、「新しい教育」や「新しい学力」への関心が高まっています。新しい教育、新しい学力とは何か。そして低学年の子どもを持つ保護者が意識すべきポイントと、今日からすぐ家庭で簡単に実践できることをお話ししたいと思います。

 新しい教育は、従来の知識詰め込み型の勉強ではなく、たとえば、資料を読んでそれを分析して、自分の考えを述べる練習をするといったようなことが挙げられます。と言っても、こうした学力は従来の教育を全否定するものではなく、むしろ、それは従来の学力――「計算力」と「漢字の読み書きの力(語彙力)」というたった2つの基礎学力のうえに成り立っています。

 この2つの基礎力は、家庭で簡単に身につけることができますが、低学年のうちに身につけておかなければ、のちのちの学習で大きな支障となります。

 ところが、多くの親がそのことを見落としており、その重要性に気づかず、「低学年から塾に通わせているのに、いまひとつ学力が伸びない」といった悩みを持つに至るのです。

 なぜ、低学年で、このたった2つの基礎力の養成が必要なのか、低学年から塾に行っても中学受験で思わしい結果を出せないのはなぜか、家庭ではほかにどのようなことを心がけて子の教育をすればよいのか。順を追ってお話ししましょう。