持ち直し続ける日本経済
景気判断の上方修正期待
年初の日本経済は自動車メーカーの認証不正に伴う出荷・生産停止により弱めの動きを示していたが、出荷停止の解除などもあり春以降は持ち直しの動きを続けている。
鉱工業生産は1-3月期に前期比5.2%減となったが、3月からは増加基調となった。6月は新たな自動車認証不正に伴う出荷停止で落ち込んだが、7月には出荷停止の解除などで大幅に増加した。結果として、4-6月期は前期比2.7%増と増加基調が維持され、7月は4-6月期の水準を1.4%上回っている。
鉱工業生産など景気に連動する代表的な経済指標を合成した景気動向指数のCI一致指数も3月以降、上昇基調にある。生産指数などの落ち込みからCI一致指数も1、2月と低下し、内閣府の基調判断が「下方への局面変化」に弱められた。
しかし、その後の指数の上昇を受け5月値をもとにした判断が「下げ止まり」に上方修正された。さらに10月に発表される8月値が前月比で0.8ポイント以上、上昇すれば判断が「上方への局面変化」に上方修正される。
こうした中、政府の景気判断も8月に上方修正された。政府の景気判断を示す月例経済報告で基調判断は7月の「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」から、8月に「景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と変更された。基調判断の上方修正は2023年5月以来、15カ月ぶりだ。