進次郎氏から
「私にも電話があった」
高市さんが前回の総裁選に出られたのは、安倍元総理の応援のおかげでした。安倍さんは私のところにまで、「鈴木さん、投票してくれる自民党議員は誰かいないか」と電話をかけてきたくらいです。高市さんの人気が今回も高い理由は、「こういう日本にするんだ」という決意が、めりはりの利いた演説に表れているからでしょう。
――真っ先に手を挙げた小林鷹之さんは?
彼は、総裁選への立候補を表明した記者会見で、経験不足がもろに出てしまった。あの会見に立ち会った24人の国会議員の中に、裏金をもらった議員が少なくとも7人いました。国民を軽く見ちゃいけません。
あの時「裏金議員は来ないでくれ」と止めておけば、小林さんのイメージは変わったはずです。その後、その7人が推薦人に誰も入っていないのは、慌てて隠したんでしょうな。
――石破さんと人気で1、2を争うのが、小泉進次郎さんです。
出馬を決めてから、私にも電話がありましたよ。人として幅があるし、聞く耳を持っていますね。これからが楽しみです。
生き別れの実母と会って
人間としての深みを増した
進次郎さんは、今年、生き別れの実母と初めて会ったと告白し、一部からは「お涙頂戴か」などと批判の声も上がりましたが、人間としての成長を感じます。
2002年に私は受託収賄容疑で東京地検特捜部に起訴されました。網走にある島田建設から現金600万円の賄賂を受け取ったという容疑です。実態はすでに明らかにされていますが、島田建設が検察から不当な取り調べを受けて、事実と異なる供述調書に無理やりサインをさせられたんです。
そしたら、島田社長がもう寝たきりになってしまった。自分が検察に誘導されて、鈴木宗男に不利なことを言ってしまって申し訳ないという思いでね、病気になってしまったんです。
2007年に私の母が亡くなった時、島田社長の奥さんが帯広にある私の家まで来るわけですよ。秘書が、家の周りをずっとウロウロしている女性がいるというので、女房が外へ行ってみたら、島田社長の奥さんなんです。おわびをしたいけれど、申し訳ないという思いで、家に入れないでいたわけですよ。
うちの女房が、奥さん、どうぞどうぞ、気にしないで入ってください、と家に入れたら、奥さんが号泣したんですね。顔を出せる立場ではありません、と。ただもう主人が悔やんで今、病気になっていますって、言ってくれたんです。人間、そういうものなんですね。筋を通すというのは本当に難しいこと。だから進次郎さんが43年間会うことのなかったお母さんに会ったというのは、人間としての深みを増したと思うんです。
――進次郎氏は、世論調査では失速しているとも報じられています。