仮に総理になるなら
良い参謀が必要

 9月12日の告示の後、各地での公開討論会が始まってから失速が報じられていますが、経験不足が露呈してしまった。初当選からまだ15年ですから、経験が必要です。

 仮に総理になるなら良い参謀が必要です。安倍政権が長く続いた背景には、菅さんという名官房長官がいました。安倍総理自身、いみじくも言いましたね。「やっぱり、官房長官がしっかりしているかどうか」だと。

――では次の総理として、誰が最適だとお考えですか。

 日本の現状を考えたら、茂木敏充さんが一番だと思います。政策の決定権者たる政調会長を務め、現在は幹事長です。内閣では、外務大臣や経済産業大臣もやりました。能力も経験も、申し分ありません。

――世論調査だと茂木さんの人気は下位ですから、意外です。

 人を褒めないトランプさんが「タフネゴシエーターだ」と唯一褒めた政治家が、茂木さんです。政治家として覚悟を持った人です。残念ながら、彼の能力をみんな知らないんですよ。

 残念ながら、知名度が足りない。3年も幹事長をやっているのに、積極的にメディアに出るべきだったのに出なかったことが表れています。仕事をさせたら一番だと思うのですが。

 小泉さんへの期待感がありますが、経験のない分、茂木さんや加藤勝信さんを登用すると安定感が出てくることでしょう。

誰でもそれなりの能力がある
それをうまく引き出せるか

――総理大臣に求められる資質とは?

 政治家は山賊、海賊の集まりです。「俺が、俺が」と思っている人ばかりですから、「我(が)」の世界です。特に自民党の政治家は大半が、一度は総理になりたいと思っているでしょう。誰でもなれるものじゃない、ということが分からないからです。

 そんな「我」の世界をまとめ上げるには、人一倍の人間力、広い心、情、思いやり、信念を持ち、腹が据わっていることが必要です。自分の考えに合わない人を遠ざけるようではいけません。何万もの有権者に名前を書いてもらって国会へ出て来ている人なら、誰でもそれなりの能力があるものです。それをうまく引き出して使うのが、リーダーの大切な要件です。