「ニッチトップ=小さくてもNo.1」の会社をご紹介する新連載。6回目は、クリエイターが個人で製作する漫画、ゲームなど同人誌と呼ばれる商品の販売、流通で圧倒的な規模を持つ株式会社虎の穴。年間7万5000タイトルもの同人誌を販売し、北海道から福岡まで全国各地に21店舗を展開する同社の吉田博高社長に、No.1の秘訣を聞いた。

【会社概要】
株式会社虎の穴
◎この会社のここがNo.1:同人誌の販売、流通でNo.1
◎事業内容:漫画やアニメ、ゲームとその関連商品の販売
◎設立:1996年7月
◎業績等:売上高203億円、従業員1000名(内アルバイト850名)
◎本社:東京都千代田区外神田4丁目3番1号
◎ホームページ:http://www.toranoana.jp/

同人誌の販売で前年比110%の成長

ーー坂上:株式会社虎の穴の事業内容と、どのような点でNo.1なのかを教えてください。

吉田:弊社は一般に流通している漫画、ゲーム、アニメのDVDやキャラクターグッズと、クリエイターが個人で製作した漫画、イラスト集など「同人誌」と呼ばれる商品を販売しています。扱っている同人誌は年間7万5000タイトル、弊社に登録しているクリエイターは5万人、実際に制作、取引をしている方々も2万人と、業界トップです。この同人誌の販売、流通の分野でNo.1となっています。

ーー坂上:同人誌とは、どのようなものなのでしょうか。

虎の穴で人気の同人誌
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吉田:同人誌とは、個人のクリエイターが作成し、出版社などを通さずに販売している作品です。そのため、一般の書店などでは販売されていません。弊社はクリエイターと直接取引して読者に届けているので、野菜の産地直送のようなイメージを持っていただけるとわかりやすいと思います。同人「誌」という言葉がついていますが、漫画やイラスト集にとどまらす、ゲームやCD、グッズなども含んでいます。

ーー坂上:虎の穴さんは高い成長率を誇ると聞いていますが、どれくらいの売上がありますか。

吉田:過去3年の売り上げは、182億円、188億円、203億円です。売上のうち約30%、50億~60億円ほどがウェブの通信販売です。現在、対前年比で毎年約110%の成長をしています。