過剰反応してしまったせいで日本での楽しいはずの旅行が台無しになってしまいました。また、それは被害女性にも言えることで、どのように注意したかは分かりませんが、怒りによって、怒った人、怒られた人の両方に不快な思いが生じ、両方とも幸せから遠ざかることとなりました。

 2人とも、旅行を通して幸せを感じたかったはずですが、幸せになるために欠かせないものの1つである“不当に扱われたくない”といった強い思いが、歪んだ怒りに変わり2人を幸せから遠ざけてしまったのです。

 概して人は、平等に扱われたい、大切に扱われたい、尊重されたいという普遍的な欲求を持っており、これらが満たされることが幸せに繋がっていきます。

 これらが阻害されないように、つまり自己の尊厳を守るために、ときには自らの気持ちや主張を押し通したくもなるでしょう。そこに怒りの表現が生じることもあり得ます。自己の価値を下げるようなものに対して怒りを感じることは決して悪いことではありません。

 ただ、その怒りが表出されるトリガーポイントや閾値は人によって異なりますし、また誰にどんな状況で阻害されたかによっても異なってきます。