・怒りのはけ口を間違えること→怒りを自分自身に向け、自傷行為や薬物依存などに至ること
(『怒りの哲学 正しい「怒り」は存在するか』ニュートンプレスを参考に要約)

 これらのように怒りには適切なものと有害なものがあり、有害なものを区別して自覚しておくことは怒りの歪みを乗り越える上で有用です。

「歪んだ怒り」が両者を
不幸にしてしまった

 2023年6月、こんなニュースを聞きました。北海道小樽市のホテルの朝食バイキング会場で、観光で来日していた韓国籍の30代の女性が、同じく観光で来ていた70代の女性の肩を手で押し転倒させて両手を打撲するけがを負わせ、傷害の疑いで逮捕されました。

 2人に面識はなく、朝食バイキング会場で加害女性が、被害女性の手荷物に足が当たったことなどを注意され、それに腹を立て傷害事件につながったようです。せっかく海外から日本に観光にきていたのに、些細なことで傷害事件の容疑者として逮捕されるのは、本当に馬鹿らしいことです。

 加害女性の怒りは、先述のプリンツの分類で言えば、“過剰反応して怒りを爆発させること”に該当しそうです。