相手の立場を理解することで
怒りは軽減できる
少々のことでは怒りを感じない人でも、あるタイプの人物から不本意なことを少しでもされると強い怒りを感じることもあります。普段は温厚な人でも職場で好きでない先輩から、みんなの前でミスを指摘されたりすると、怒りが生じたとしても無理はありません。
宮口幸治 著
ところが、もしこれらのトリガーポイントや閾値が歪み、適切な程度でなくなってしまったらどうでしょうか。他者からみると些細なことでも強い怒りが生じ、冷静さを失い、判断力を鈍らせてしまうことにもなりかねません。
強い感情が判断力に影響を及ぼすことについてはすでに多くの研究がなされていますが、皆さんも思い当たることがあるかも知れません。誰しもかっとなると冷静な判断がしにくくなり、その結果、歪んだ幸せにつながってしまいます。先のホテルの朝食バイキング会場のケースはまさにそのような歪んだ怒りによるものなのです。
では怒りを適切にコントロールするにはどうすればいいのか。怒りが生じること自体を抑えるのはなかなか困難ですが、事前に心の準備をしておいたり、相手の立場を少しでも理解したりすることで、怒りを軽減させることは可能です。