タフワイルドは高い機能を実現した実力車
さらに“所有するこだわり”をトッピング
燃費は、今回の500kmほどの試乗で18km/Lプラスをマーク。現在の水準で見ると驚くほど経済的とはいえないが、元気で快適な走りを味わうと十分なレベルだと感じる。ただし燃料タンク容量は27Lと小さい。ワンタンク500km走行はややきつい。
室内は驚くほど広い。スクエアなボディ形状とスペース性を重視したパッケージングの効果でKカーを意識するシーンはほぼない。シートの作りはしっかりとしており、座り心地は良好。前席はもちろん、後席もスペースは十分だ。多彩なシートアレンジによって、荷物の積載にも車中泊にも対応する自在空間が生み出せるのも大きな魅力。ハスラーの室内は、アイデアの宝庫。小さなクルマを便利に使う配慮に溢れている。安全・運転支援機能を含め装備は充実しており、パイオニアの楽ナビをベースにしたメーカーopナビの地図は鮮明。室内各部の質感も高い。
ハスラーは走り/スペース性/使い勝手の点で、クルマ好き、遊び好きを満足させる高い機能を実現した実力車。タフワイルドは、そこに“所有するこだわり”をトッピングしている。個人的に購入するとなると、本格派のジムニーと大いに迷うが、高速時の安定性と快適性、そして多彩なシーンへのマッチングはハスラーが数段上。タフワイルドをさらに自分仕様に仕上げ、徹底的に使い込むのは、アクティブなユーザーにとって、満足感が高く、しかもインテリジェントなクルマ選びだと感じた。Kカーは日本の宝物である。
(CAR and DRIVER編集部 報告/横田宏近 写真/山上博也)