――見た目が大事ということですね。
yuuu 他にも、スキンヘッドも結構ツッコまれビリティ高いですよね。
勝木 スキンヘッドといえば某教授は意図的にスキンヘッドに剃っているらしいです。何やってもとりあえず、「つるっぱげが歌います」とか言って。他にもマッチョは「たとえスベっても、脱いだら成立する」という策がよくありますよね。会食で滑った時のために筋肉を蓄えておくってのは、実は競争戦略としてありかもしれない(笑)。
――スキンヘッドも筋肉も、自分の印象を上げる戦略だと。
yuuu 脳筋キャラは愛されますからね。広告代理店の会食でも、アルコール飲めない人が「俺脳筋なんで」と言って、代わりにプロテインを一気飲みしてることもありました(笑)。プロテインをテーブルに4つ並べて、ソイミルクを入れてシャカシャカしながら飲んでる人がいました。マッスルキャラが提供するのはマウントされてあげる脳筋体験ですね。
会食×マウントは人間に残された数少ない武器である
――相手を喜ばせるために全力を尽くすところは、会食もマウンティングも似ていますね。
勝木 そうですね。会食にもマウンティングにも人間理解・人間への洞察が必要とされている気がします。特にAIの発達で、人間の優位性はもはや「人間そのものへの理解だ」という話をよく聞きます。会食とマウンティングは本当によく似ていて、人間に残された数少ない武器です。
――AIでは相手に本物の優越感を与えられるようなマウンティングエクスペリエンスが作りづらいですからね。
yuuu 話し込むためにクライアントたる人間の欲求を知り、満たしてあげる。だからこそ、『ビジネス会食』は相手側のことをよく知り、相手が喜ぶことを考えて「想像力と確固たる意志」で会食の場をセッティングするという趣旨なんです。意味、会食というのは普通の会議などのではできない、昼間ビジネスシーンではなかなか踏み込めないことまで話せる貴重なコミュニケーションの場ということですね。こういった面倒な雑務であっても真摯に向き合うことで、千載一遇のチャンスがつかめることだってあるんです。
(本稿は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者・yuuu氏と『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデューサー・勝木健太氏への対談インタビューをもとに構成したものです)