「飲み会で話した悪口が、当人に伝わってしまった」
考えるだけで恐ろしいビジネス会食の罠である。特にこれからの忘年会シーズン、どのように立ち振る舞うべきなのか。『ビジネス会食完全攻略マニュアル』で「会食を制する」ノウハウを余すところなく記したyuuu氏と、営業初心者からベテランまでヒントを得られる「営業版・虎の巻」である『Sales is』を執筆した今井晶也氏は、「悪口が出る飲み会には、明確な対策がある」と語る。場の空気を壊さず「自分にチャンスを引き寄せる食事会の極意」を聞いた。(構成=ダイヤモンド社・榛村光哲/執筆=菱沼美咲)
ダメな会食は「前進しない会食」
――何をもって「いい会食」「ダメな会食」とするべきでしょうか。
今井晶也(以下、今井) 会食って少なからず、「何かを前進させるため」にお金や時間をかけてわざわざやっているはずなんです。なので、当たり前ではあるんですが、人間関係などが後退するような会食はダメですね。酒に飲まれるとか品性がない会食は良くないと思います。
ありがちなミスやトラブルって、余計な失言や酔っぱらってするべきじゃない行動をとってしまうことですね。ビジネスでやる以上、品位と節度がない会食っていうものがいちばんダメなんだと思います。
酔っぱらっちゃうと、ゴシップや悪口が多い会食になることもあります。ある意味「共通の敵を見つける」って、人と人が仲良くなるポイントではあるんですが、行き過ぎていると下品だなとは思いますね。僕は、そういうときは話を合わせつつもさらっと話題を変えてしまいます。
悪口が出たら即、話をズラせ
今井 例えば、「あの人ってSNSでは綺麗ごと言ってるけど、裏ではひどいこと言ってるらしいよ」という話題だとしたら、「どんなこと言ってたの?」という返しだと良くない。内容を掘り下げずに「自分ができていないことをSNSで呟きたくなる心理ってどういうところから来るんでしょうね」っていう話題を振るようにしています。
繋がっているけど違う話にする”抽象化”で、話の方向を変える感じですね。「このテーマについて一緒に考えましょう」という感じで、共通のトークテーマを作るんです。悪口に関しては論点をずらしていくとよいと思いますね。
yuuu 悪口が多い会食に関しては、僕も基本的には今井さんと同じスタンスです。巻き込まれてしまうと自分が後でどう言われるかわからないんですよ。一言も発していなくても「お前そっち側だったのか」みたいな感じになってしまうこともあります。それを考えると、別のテーマに変えるか、うまく場を切り抜けるか、トイレに行って席を外すかするしかないんです。