「夜遅くに職場の飲み会に呼ばれた時、わざとジェラピケのもこもこパジャマを着ていきました」
これは、一見、何の意味もないようで、実は「相手に思い出を作っている」んです――。『ビジネス会食完全攻略マニュアル』を上梓した著者yuuu氏は、「飲み会の思い出づくり」のために“ツッコまれビリティ”に全力をかけてきたと語る。広告代理店卒で幾多のビジネス会食を乗り越えてきた猛者は、なぜ、ここまで奮闘するのか? 『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデューサーである勝木健太氏は、「相手のマウンティング欲求を満たすことは、AI時代に人間に残された“数少ない武器”だ」と語る。話題の著者2人が、その真相を語った。(構成=ダイヤモンド社・榛村光哲/執筆=森遥香)
広告代理店マンは飲み会であえて「ジェラピケのもこもこパジャマ」を着た
yuuu 広告代理店で働いていると、深夜に飲み会に呼び出されることがあって。そういう時は、僕はよくジェラピケのパジャマに着替えて待ち合わせ場所に行くようにして会食に参加していました。まさに、「もう寝ようと思ってたのに」というシーンだったという演出です(笑)。若干の不満気な態度でジェラピケを着ていると、100%「お前なんでジェラピケ着てんだよ!」と上司にツッコまれます。それで場を盛り上げるっていう。たとえその時家で普通のTシャツを着ていたとしても、家にあるジェラピケのモコモコに着替えてから飲み会に参加しましたね。そのせいで、異動するときにはプレゼントでジェラピケをもらいました(笑)。「お前ジェラピケ着てたもんな」っていう。
――どうして、そこまでするんですか?
yuuu 「典型的なパジャマっぽさが大事」だと思ったんです。ジャージのようなパジャマで行っても、普通の私服で来たと思われるので。あえて、胸に“gelato pique”とロゴが刺繍されているようなゴリゴリのモコモコで行きました。そうすると、「お前寝る直前だったんじゃねーか!」と確実に思われますよね。しかもジェラピケのパジャマを着ると「お前男だろ」ともツッコまれます。そこの「ツッコまれビリティ」を出すために、ジェラピケを着て行きました。マウントの目線で言えば、「ジェラピケ着るくらい寝る直前だったやつが俺のために飲み会に来た」という上司への価値提供です。「ビジネス会食では想像力と確固たる意志が重要だ」ということの延長です。
――「ツッコまれビリティ」面白い言葉です。
yuuu 実はこの「ツッコまれビリティ」は転職しても持ち運べるスキル=ポータブルスキルだと考えています。ただ、これは結構難易度が高くて、「どこでツッコまれるんだろう」ということを事前に考えておかないといけない。意外と頭使うんですよね。ただ、見た目は特に分かりやすいので見た瞬間にツッコみたくなりますね。何もツッコまれる要素がないなら、せめて飲み会にはジェラピケを着ていって、相手に価値提供しようという話です。