一番のネックは、本人がそんな生活に問題があるとは思っていないことだ。
「うちの父も同じだったと思うのですが、ゴミ屋敷に住んでいる方は、まずゴミをゴミとは思っていないんです。彼らにとっては、ゴミではなくて、すべてが宝物なんです。
河合さんは、『私なんて、いつ死んでもいいのよ』と言いながら、自分の身体を痛めつけるような高カロリーのものを好きなだけ食べる。ある意味本人にとっては、それが幸せなのかなと思うときさえある。
でも、それでは医療者としては良くないから、糖尿病の注射をしたり、自分でもコントロールをしたりできるように、何度も訓練をしてもらう。
でも、結局それは一時的なもの。最後は本人の自覚というか、認識にかかっているので、そこがセルフネグレクトという問題の根深いところ。それには、私たちのような医療者も含めて、誰かが常時介入していくことが大切ですね」