「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から、老け込みが気になる時に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】「老け込みやすい人」と「いつまでも若々しい人」のわかれ道。体の2つの特徴とは?

自力整体の視点でみると将来の姿がわかる?

同窓会など同世代の友人と久しぶりに集まったとき、「あの人はずいぶん老け込んだな」と感じることはありますよね。
その姿を目の当たりにしたとき「自分も同じように老け込んで見えているのか」と不安になるものです。
一方、いつまでも若々しい人もいます。

東洋医学をベースとする自力整体の視点でみると、将来的に「老け込みやすい人」「いつまでも若々しい人」の両者の違いは一目瞭然。
その違いがわかると、若さや健康維持の秘訣がわかるかもしれません。

「老け込みやすい人」の特徴

はじめて教室を訪れる生徒さんの中には、「さいきん老け込みが気になって……」「気力も食欲も減退している……」などの理由で参加される方がおられます。
そんな方たちのスタート時の体は、次の2つが特徴的です。

1 体が冷えている
2 体が硬い

この2つは、東洋医学でいうところの「気・血・水」の三本柱が滞っている状態です。

「気」とは、人間の体を動かすエネルギーのようなもの。「気」が低下すると、「血(血液)」「水(体の中を流れる血以外の液体)」のめぐりも悪くなり、冷え・むくみ、不眠、代謝力・排泄力低下、痛みや不調も現れやすくなります

このような「冷たくて、硬い体」は不調や病のはじまり。極端に言えば、死に近い状態だと思うのです。

私たちは、リモートワークやスマホなどの普及により、気がつけば何時間も座りっぱなし。動いているのは指先と眼球だけ。

筋肉は硬くなり、関節はコチコチ。その状態が慢性化すれば、病につながることもあります。

「いつまでも若々しい人」の特徴

一方、「いつまでも若々しい」と感じる方には、2つの特徴があります。

1 体が柔らかい
2 体が温かい

物心つくころから、みるみる若さを取り戻す生徒さんのお姿を父の横で見てきた私は、健康や美しさの条件は、「あったかくて、柔らかい体」であると実感しています。

そんな体は血液や体液の流れが良好で、夜も熟睡、代謝力・排泄力も正常で、気力が充実して活動的。結局、そのような生徒さんがいつまでも健康で若々しいのです。

いま体が硬い方も安心してください。最初は硬かったけれど、続けているうちに、あのつらかった痛みや不調が気にならなくなっていた、というのが自力整体のゴール。
何度やっても硬さや痛みは変わらないということはなく、必ず変わっていきます。
そこを信じて、「刺激を味わう」感じで続けてみてください。

最後に、「あったかくて、柔らかい体」づくりに役立つ「腰ほぐし」のワークを紹介しましょう。夜寝る前がおすすめです。

【整体プロが指南】「老け込みやすい人」と「いつまでも若々しい人」のわかれ道。体の2つの特徴とは?矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗