名経営者の至言「楽観的に構想し、
悲観的に計画し、楽観的に実行する」

 京セラや第二電電(現・KDDI)の創業者で、日本航空の再生にも尽力した稲盛和夫さんは、真のプラス思考についての同じような考えを、次の言葉で言い表しました。

「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」

書影『強いチームはなぜ「明るい」のか』(幻冬舎新書)『強いチームはなぜ「明るい」のか』(幻冬舎新書)
吉岡眞司 著

「明るいチーム」とは、ただやみくもに、楽観的に行動するチームのことを指すのではありません。稲盛さんが言われる「悲観的に計画」というフレーズの意にも込められているような、予め想定しうるかぎりの苦境の事態や懸案事項の洗い出しを行い、その対策を事前にしっかりと定めておく。

 そうした事前準備ができているからこそ、「この先、どんな事態に直面しても大丈夫」という安心感が生まれます。そして、あとは「何がなんでも成功させる、実現させる」という前向きな強い気持ちを持って行動することができる。「明るいチーム」とは、そんなチームのことなのです。

 もちろん、すべての事態を事前に100%想定することは不可能です。行動してみて、想定していなかった事態に直面したら、そのときはそのとき。その時点で、対策を考えればよいのです。