事実、彼らは試合前日のミーティングで、さまざまなシミュレーションを行っていました。
「次の対戦相手の○○高校の打線には、こういう強みがある。だから、試合の中盤で必ず~のようなピンチの状況が訪れるはず。そのときには落ち着いて、△△のように対応しよう」
「自分たちが先制したとしても、相手の力を考えると、追いつかれることもあるだろう。だから同点まではOKとしよう」
「失点1はOKだけれど、ビッグイニングは避けよう」
このように、あらゆる展開を事前に想定し、そうなったときにどのように対処するか。そうした事前準備を入念に行い、選手たちはしっかりと頭に入れて試合に臨んでいたのです。だからこそ、ピンチになっても、不安げな表情を少しも見せることなく「あ、これ、昨日みんなで話し合ったあの場面だよね。こうすればいいんだよね」と、落ち着いてその状況を凌ぐことができたのです。これが、彼らの言う「想定内」の真意でした。