副業OKとはいえ「自分の会社で副業」はアリなのか?
「部長、物流センターでバイトしたいので、許可して下さい」
「Aさんはシステム管理課の所属だったね。B課長から許可はもらったの?」
「はい。OKが出ました」
と言い、申請書をC部長に差し出した。
書かれた内容を確認したC部長は考え込んだ。
「今年の4月に就業規則を変更して、条件付きで副業を認めるようにしたけど、まさかウチの社員が物流センターのアルバイトを希望するとは考えてなかった。もし許可して面倒なことになったら嫌だなあ。そうだ、Dさんに相談してから結論を出そう」
C部長はAに「許可するかどうかは後で返事をします」と言うと、申請書を預かった。
その後C部長はD社労士に連絡を取り、次の日の午後、会社から車で10分の距離にあるD社労士事務所へ出向いた。
「Dさん、急な話ですみません」
「いえ、今日は1日事務所にいるつもりだったので大丈夫です。要件は昨日電話でお話されたAさんのことですね?」
「はい。Aさんを物流センターでアルバイトさせていいものかどうか、迷っているんです」