2035年に首都直下地震が起こった場合、震災なしのシナリオと
比較して、その数年後の間で長期金利が上昇する最大幅

巨大地震で想定される国債金利の上昇、有事に備えた財政基盤強化を2035年に首都直下地震が起こった場合、震災なしのシナリオと比較して、その数年後の間で長期金利が上昇する最大幅 *「首都直下地震がマクロ経済に及ぼす影響についての分析」(佐藤主光、小黒一正 著。内閣府経済社会総合研究所『経済分析』第184号)のマクロ経済モデルと、中央防災会議の首都直下地震(東京湾北部地震M7.3)の被害想定を基に筆者試算

 2024年8月8日、「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、地震の想定震源域で巨大地震への注意喚起が初めて発令された。その後、臨時情報は解除されたが、今後も巨大地震が起こる可能性はある。

 例えば、30年以内70%確率の「首都直下地震」で想定される被害は甚大だ。13年12月中旬に中央防災会議が公表した首都直下地震(東京湾北部地震マグニチュード7.3)の想定によると、経済被害は約112兆円にも達する。

 仮に首都直下地震が発生した場合、国債の発行が必要となるだろう。そのため、長期金利(国債の利回り)が一時的にどの程度上昇するかについての予測も重要だ。