我が子をミスリードする
エリートの親たち
しかし、確実な道を歩もうとすることは、これからの時代、崩れゆく崖を歩くのと同じで、リスク以外のなにものでもありません。
にもかかわらず、まだ30代であっても、そうした発想転換ができていない人がたくさん見受けられます。
彼らは、子どもたちが鋭い肌感覚で進もうとしているのに、その道を理解できず、自分の価値観の古さに気づかず、良かれと思って我が子をミスリードしてしまいます。
私の塾では、親子揃っての面談をよく行います。加えて、子ども本人とだけ話すこともあるし、親からの相談を受けることもあります。要するに、子どもたちの傾向と親たちの傾向の両方がわかっています。
そうした経験を通して強く感じるのは、「一部の“わかっている親”だけが、相当先を走っている」ということです。
大半の親は、我が子の将来どころか、今はそこそこ稼げている自分の数年後がとんでもないことになっている可能性についてさえも、大甘な認識しか持っていません。
一方で、かなり鋭い親はすでに動き始めており、結果的に、子どもたちに大きな格差がついてしまうだろうと思えるのです。