コスパやタイパが重視される昨今、とかく現代人は予定を詰め込みがち。しかし、実は子どもの教育だけでなく大人にとっても「余白」というものは大切な要素なのだ。コスパやタイパを重視すればするほどAIに近づいてしまうなか「AIにはない要素」を育てるためにはどうすればいいのか。本稿は、富永雄輔『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
コスパ・タイパを追求したら
どんどんAIに近づいてしまう
今、セミナーなどの予定を詰め込むビジネスパーソンが増えています。コスパやタイパが重視される現代において、スケジュール表に余白があると、「なにかしなくてはいけない」という強迫観念に襲われるようです。
子どもに対しても同様で、時間を細かく区切って塾や習い事に通わせています。
たしかに、コスパ・タイパを意識して合理的に行動すること自体は大事です。でも、いたずらにそれを追求してはいけません。
コスパ・タイパを追求すればするほど、AIに近づいていきます。コスパ・タイパはAIが最も得意な分野であり、みすみす負けに行くようなものなのです。
AIの時代こそ、AIにはない要素を持たなければいけません。
1つ気づいてほしいのが、子どもの予定を詰め込んでいるとき、そこに罪悪感を覚える親もいるということです。
子どものコスパ・タイパ主義は、明らかに女性の社会進出と関係していると私は考えています。働くお母さんが子どもに対して罪悪感を抱くことがあると聞いたことがあります。それでお金をたくさんかけて、いろいろやらせるという方向に走る人もいるとか……。
でも、そんな必要はありません。子どもの予定を詰め込む必要もないし、お母さんが罪悪感を抱く必要は毛頭ありません。そもそも、お父さんが仕事を休んで子どもの面倒を見ればいいだけの話です。
罪悪感を抱いているお母さんも、それをさせているお父さんも、子どもを時代遅れのコスパ・タイパ主義に追いやって潰しかねません。
大人も子どもも意識をして
あえて“余白”をつくる
WBCで日本代表として活躍したラーズ・ヌートバー選手もそうですが、アメリカのメジャーリーグには、アメフトをやっていた選手が結構います。
大谷翔平選手は水泳をやっていたことで知られています。