「お勧めする理由」には、その「我慢」や「辛抱」にはいったいどれだけの価値があるのか、といった思いがありますし、他方「お勧めしない理由」としては、あなたには、本当の意味でのリスク許容度がないと思われることがあるからです(その根拠は繰り返しますが、すでに20年以上同じ会社にとどまり続けることができたのがよい証拠です)。

 その上で最後に決めるのは、当然、私でもなければあなたの家族でもない、そう「後悔するもしないも、あなた次第である」わけなのですが、そもそもあなたがそこまで悩んでいる時点で、私の目から見れば「おやめなさい、その転職は」と、ご家族の肩を持ちたくなるのです。

 たとえば、その最後の転職が「水平移動」、すなわち大企業から大企業へ、もしくは中企業から中企業への移動なら、まだリスクも少ないでしょう。それはいわば「同類婚」――似た者同士での「離婚」と「再婚」だからです。それなら、お互いの違いが許容できる範囲だといえます。

大企業の社員だった中高年には
とても転職は勧められない

 ただ、それがもし「あなたの大企業での経験を、スタートアップ企業で活かしませんか?」といった誘いに応じるような場合には、やはり話は違います。

 ちなみに『日本経済新聞』朝刊(2022年7月13日)の記事で、大手人材紹介会社の「エン・ジャパン」による調査が掲載されていましたが、それがいい例といえます。