投資のプロが売買注文に際して使う方法にVWAP(Volume Weighted Average Price)がある。VWAPとは当日に成立した株価を、その株価での売買株数を用いて加重平均した価格である。VWAPで購入できれば、特定の1日ではあるが、時間分散をしつつ投資できたことになる。証券会社は大口投資家から、このVWAPで売買注文を受けることもある。なお、ネット証券会社では、参考株価としてVWAPも表示されている。

 個人としても、短期投資であれば、投資しようと考えている資金を分割することがありえよう。この方法により、極端に高く買うことが避けられる。投資資金の回収の場合も、回収日時を分ければ、極端に安く売ることが避けられる。

時間分散と称して
機械的に買い続けるのはNG

 次に、長期運用に関しては、時間分散効果には懐疑的にならざるをえない。というのも、企業の株価は経済成長に応じて上昇していくからである。

 もちろん時間分散的に投資すれば、景気動向による株価の変動を避けられるだろう。しかし景気動向にともなって、長期運用の対象として適切と考えていた企業が、そうではなくなる可能性がある。逆もありえる。このことは、次に買う場合には新たな判断が求められることを意味するから、時間分散と称して機械的に買い続けるのは望ましくない。