4人のうちふたりは共和党員で、ふたりは民主党員だった。4人の命令に従ってきたのは、その4人も同じように憲法を遵守していると考えていたからだ。イラクで最悪の日々を過ごしていたときも、自身の任務を楽天的に見られなくなったときも、誓いの言葉を思い出した。
キリストの墓へ参る観光客が
トランプの名を撫でていく
陸軍への最後の奉仕として、退職前に1年間エルサレムに派遣された。ヨルダン川西岸地区――ヨルダンとイスラエルのあいだにあるパレスチナの領土で、1967年の第3次中東戦争(編集部注/イスラエルとエジプト、シリア、ヨルダンの間の戦争。イスラエルが勝利した)でイスラエルが占拠した場所だ――のパレスチナ自治政府の治安部隊を訓練するプログラムに協力していた。
このプログラムは合衆国国務省が創設し、合衆国陸軍の三星の将官(三星は中将を指す)が率いる多国籍のスタッフが日々運営することになっていた。西岸地区とイスラエルの治安安定のために、司法と人権の条例に基づく民衆統制戦略として、4万人の民兵組織をパレスチナ軍として専門化できればいいと思っていた。
ところが、週末が来るとなにもすることがなくなり、周囲を歩き回ったり、エルサレムの現実を見て回ったりするだけだった。