立川談慶 著
懇切丁寧に教えたとしても、結果として弟子は受け身になるだけです。修業とは、受信者である弟子の積極性に軸がないと、芸は得てして身体に入っていかないものであります。
「知識を伝える教育」から「相手の力を引き出す教育」へ。現代の教育が目指す、子どもたちが自ら学んで行動する授業のコツは、談志門下で経験した前座修業にあったのです。この辺りの機微をベースに、学校の先生向けに『落語流 教えない授業のつくり方』(玉置崇共著・誠文堂新光社)という本も書きました。
教えるのではなく、考えさせる。ひとまず情報過多から逃げましょう。