会議がシーン…どうしたらいい?→対話が深まる「アルファベット3文字」の魔法の言葉写真はイメージです Photo:PIXTA

フリーキャスターの木場弘子氏は、これまで多くの省庁で会議の委員を務めてきた。有識者だらけの会議の場では専門用語が飛び交いがちだが、長年のキャスターの経験で培われた対話力によって、場をまとめてきたという。専門知識がなくても知ったかぶりをせず、存在感を発揮する方法とは。※本稿は、木場弘子『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』(SDP)の一部を抜粋・編集したものです。

視聴者の視点に立って
疑問はとことん掘り下げる

 省庁の会議などで、私が最も大切にしているのは、生活者の立場に立って、たとえ小さな疑問であってもスルーしないという点です。

 そうした会議では、しばしばなぜそういうことをしたいのか、という前提が見えなかったり、専門用語が飛び交ったりで、理解が難しいことがあります。

 これは、今の仕事に就いた頃から変わらぬポリシーで、自分がわからない点は視聴者の皆さんにわかるよう、とことん掘り下げてお聞きするのが務めだと考えていました。

 日本では、対話や会議などの場で何かを尋ねることを躊躇する感じがありますね。「そんなことも知らないの?」と思われたくない、“どちら側”の人というレッテルを貼られるのが嫌でYESかNOかをはっきりさせたくないなど。それでは議論は通り一遍で深まらないまま終わってしまいます。