一方、海外の方と話すとそれでは済みません。老若男女、どんな人とのどんな対話でも、しょっちゅう発せられるのが「WHY?」という疑問詞で、これを相槌のように「なぜ?」「何?」「どうして?」と交わしていくうちに、お互いの距離は縮まり、場の理解はおのずと深まり、話題もいっそう掘り下げられていきます。

「なぜ?」「何?」「どうして?」は
最も大切な対話の“エンジン”

 そういうことからも、私にとっては仕事とプライベートを問わず、「WHY?」は最も大切な対話の“エンジン”です。審議会や企業の会議はもちろんのこと、パネルディスカッションでのモデレーター(進行役)のお仕事でも、ここが一番大事だと思っています。

 具体的には、少しでも疑問に感じること、一般に馴染みの無い言葉、掘り下げたいポイントについては、必ず「そうお考えになる理由は?」「その言葉、ご説明いただけますか?」「これからは、どうあるべきでしょう?」といった疑問を投げ、ディスカッションの質を高めるのが、私の役目だと考えるからです。